プラスチック
「身近なもの」以外で使われているプラスチックを知ろう
2022.12.01
車や飛行機、ビルにもプラスチックが使われている
「プラスチック」と聞いて、なにを思い浮かべるでしょうか。
ほとんどの人は、ペットボトルや食品容器、レジぶくろなど「身近にあるもの」を想像すると思います。
しかし、そのような身近なものと同じくらいたくさんプラスチックが使われているものがあります。
それは、車や飛行機、ビル、船などの「大きなもの・家以外で使うもの」です。これを「産業分野」といいます。
車では、車内のシートやヘッドライトのカバー、飛行機では、窓や翼部分のパネル、ビルなどのたてものでは、壁や床にプラスチックが使われています。
また、漁業や農業など、自然環境の中で使う道具にも、プラスチックが使われてます。漁業では、魚をつかまえるためのアミや、釣りざお、ロープ。農業では、マルチ(畑にかぶせる黒いシート)やビニールハウスがプラスチックです。
ガラスよりも割れにくく、金属よりもサビにくく、軽い。自然環境でも腐らないプラスチックは、いろいろな素材の代わりとして使われてきたのです。
産業分野のプラスチックごみは、日本のプラスチックごみ量の半分
このような「大きなもの・家以外で使うもの(産業分野)」に使われているプラスチックは、使えなくなればいずれ捨てられます。
ある調査によると、2017年、日本で捨てられたプラスチックの量は903万トン。そのうち、418万トンが家庭から出る「一般廃棄物」、485万トンが産業分野から出る「産業廃棄物」です。
産業分野で捨てられるプラスチックは、日本のプラスチックごみ量の約半分。家庭で捨てられるプラスチックよりも多いことがわかります。
そして、産業分野のプラスチックごみで特に問題になっているのが、漁業や農業など、自然環境の中で使われているプラスチックです。アミや釣り竿が海に捨てられたり、農地で使っている道具が風で飛ばされたりすると、ごみとして回収されず、環境をよごしてしまいます。
このような問題をうけて、産業分野のプラスチックで開発されているのが、前回の記事で紹介した「バイオプラスチック」の製品です。バイオマスプラスチックを使ったロープ、生分解性プラスチックを使ったマルチなど、環境にやさしいプラスチックを使った道具の活用がすすんでいます。
次回からは
ごみとして捨てられたプラスチックが、どのように処理・処分されているのかを紹介します。