この塗料は、釣り道具である「ルアー」の木材部分をコーティングするのに適しています。木材を強くし、水に強くするだけでなく、表面をなめらかにして色や光沢をきれいに見せる効果があります。また、臭いが少なく、作る人が安全に使えるのも特徴です。さらに、自分で調整して使えるので、手作り好きな人にもぴったりです。
特集
「生分解性プラスチック」を使った環境配慮型塗料のご紹介
2025.1.9
近年、環境問題への関心が高まる中、土に還るプラスチック「生分解性プラスチック」が注目されています。これは、微生物によって自然に分解されるプラスチックで、環境に優しい特徴を持っています。さらに、この生分解性プラスチックを活用した塗料も開発されており、従来の塗料と比べて環境への負荷を大幅に軽減できる点が注目されています。本記事では、Nature3D様のご協力を得て、生分解性塗料の開発背景や特長、具体的な活用事例について詳しくご紹介します。持続可能なものづくりに向けた新たな一歩となるこの塗料の可能性に、ぜひ触れてみてください。
こんな方におすすめ!
- 環境に配慮した製品を開発・利用したい方
- DIYやハンドメイドにこだわる方
生分解性プラスチックとは?
普通のプラスチックは、ゴミとして捨てても土の中や海の中に残ってしまいますが、生分解性プラスチックは、微生物(小さな虫や細菌)がそれを分解して、最終的に土や水に還ります。
例えば、木や葉っぱが土の中で腐って自然に土に戻るように、生分解性プラスチックも自然の力で分解されて、自然に還ります。これによって、プラスチックごみを減らすことができるので、地球にやさしい素材と言えます。
開発経緯
どうして生分解性プラスチックを塗料に?
案外知られていないのですが、塗料はプラスチック素材でできています。石油系塗料で塗装されたものは、母材が何であれプラスチック製品同様に分解が進まなくなってしまうことが考えられます。たとえば木材は自然に還すことができる素材ですが、塗料を塗ってしまうと長期間分解が進まなくなってしまう可能性があるわけです。塗料は母材を保護するためのものであり、長期耐久性が求められますが、ある程度の年月が経過したら自然に還った方が良い場合もあります。バイオマス素材の生分解性を阻害しない塗料があってもいいのではないかと思ったことが開発のきっかけです。
活用1 ルアーのコーティング剤に
活用2 紙のコーティングに
この塗料は紙にも使えます。たとえば、折り紙の作品や竹かごに和紙を貼る「一閑張り」という技法に活用することで、紙を丈夫にし、長く保存できるようになります。紙の見た目や手触りを変えずに保護できるのがポイントです。また、環境にもやさしいため、安心して使えます。
おすすめポイント!
- 生分解性プラスチックが母材の特性を損なわずにツヤや耐水性を付与可能
- 環境負荷を軽減しながらDIY用途にも適した柔軟な塗料設計
おわりに
今回はクリアコートの事例をご紹介しましたが、Nature3D様では顔料や染料を添加した着色塗装の検討も行っています。この塗料は、色をつけたり印刷用のインクとして使うことも視野に入れています。まだ開発の初期段階ですが、環境を守りながらさまざまな用途に使える可能性があります。新しいアイデアを取り入れながら、多くの分野で活用される未来が期待されています。こんな用途に使えないかな、というアイデアがあればお問い合わせください。また、もし協業いただける方がいらっしゃいましたらお気軽にお声がけいただければ幸いです。
【協力】Nature3D様
https://nature3d.thebase.in/
https://nature3d.net/