プラスチック
プラスチックごみはなぜ問題なの?このまま放っておくとどうなるの?
2022.12.01
捨てても土に還らないプラスチック
どんな形にもなり、誰でも安く買えるプラスチック製品。
ペットボトルや、レジ袋、お弁当の容器など、私たちの生活で当たり前に使われています。
世界のプラスチック生産量を見てみると、1950年には一年間で約200万トン生産されていましたが、2015年には一年間で4億7000万トンにまで生産量が増加。プラスチックは今や、世界中の人々にとって、なくてはならないものになっています。
作りやすくて使いやすい。とても便利なプラスチックですが、実は、大きな問題点があるのを知っていますか?
それは、プラスチックのごみは、土や自然に還らないことです。
紙や木など、自然にあるものから作られた製品は、ごみになっても生き物(微生物)によって小さく分解されて、自然に還ることができます。
しかし、完全に人によって作られるプラスチックは分解をすることができません。自然環境に放置し続けると、海や山がやがてプラスチックで埋もれてしまいます。
プラスチックはほとんどリサイクルされていない
プラスチックごみを処分する方法は、「リサイクル」「焼却」「埋め立て・投棄」などがあります。
このうち、リサイクルや焼却されずに「埋め立て・投棄」されると、自然環境で分解されずに放置され続ける、ということになります。
それでは、プラスチックごみはどれほど「埋め立て・投棄」されているのでしょうか。
ある調査結果によると、1950年から2015年までの66年間、世界中で生産されたプラスチックは83億トン、そのうち63億トンがごみとして処分されています。
そして、処分されたプラスチックごみのうち、リサイクルされたものはわずか約9%、焼却されたものは約12%、残りの約79%は埋め立て・投棄されています。
リサイクルごみのほとんどが埋め立て・投棄によって処分され、自然に放置されているのです。
「使い捨て」がしやすいプラスチック
生産量と同じように、世界中で捨てられるプラスチックの量も毎年増え続けています。2015年には、3億トン以上のプラスチックがごみとして処分されています。
プラスチックは私たちの身近な様々な製品に使われていますが、それらの多くは「一度使ったら捨てる」ものです。プラスチック製品は金属やガラスなどと比べ、長期間使われることが少ない素材なのです。
このように「使い捨て製品」に多くプラスチックが使用されていることが、プラスチックの生産量・廃棄量を増加させている一つの原因だと言われています。
次回からは
プラスチックごみによって大きな影響を受けている「海」の問題について紹介します。