プラスチックごみの輸入によって、どんな問題がおきたの?|やさしい素材JAPAN

プラスチック

プラスチックごみの輸入によって、どんな問題がおきたの?

2023.09.13

アジアの国が「世界のごみすて場」に

 

第6回で紹介したように、日本をはじめとする先進国せんしんこくは、中国・香港・ベトナムなど、アジアの国にプラスチックごみをたくさん輸出ゆしゅつしていました。

先進国(せんしんこく)とは ▶
経済や技術がすすんでいる国のこと

しかし、輸入ゆにゅうされたごみの中には、 よごれたものや分別されていないもの、からだに悪いものがまざっていたため、
プラスチックを輸入ゆにゅうしていた国がつぎつぎと輸入ゆにゅうを禁止したり、規制きせいしたりするようになりました。

 

 

今回は、アジアの国がプラスチックごみの輸出・輸入を禁止するまで、どんな出来事があったのか、くわしく見ていきます。

インドネシアでは、2019年6月、アメリカから「資源回収しげんかいしゅうごみ」として輸入したごみが、
使用済み紙おむつや食べ残しのついたプラスチックなどだったことがわかり、
ごみの入ったコンテナ5個をアメリカに送り返しました。

 

またフィリピンでも、2014年、カナダから「再生資源さいせいしげん」として送られたごみが、
大量の家庭ごみや使い捨てのおむつだったことがわかりました。
フィリピンはごみをカナダに送り返そうとしましたが、5年以上の間、カナダは受け取ろうとしませんでした。

 

さらに2019年2月には、韓国からフィリピンに
「リサイクル用プラスチックごみ」として申告しんこく輸出ゆしゅつされた6300トンのうち、 その大部分はリサイクルできないゴミであることを発見。
およそ1200トンが韓国の港に送り返されました。

 

 

このようなことが原因のひとつとなり、中国だけでなく、マレーシア・タイ・インドネシア・インドなど、
多くのアジアの国が「プラスチックごみの輸入禁止ゆにゅうきんし」を発表しました。

 

 

輸入禁止ゆにゅうきんしによって、プラスチックごみの「密輸(みつゆ)」が増加

中国が「プラスチックごみの輸出禁止ゆしゅつきんし」を始めてから、
正しい手続きなくプラスチックごみを輸入・輸出ゆにゅう・ゆしゅつする「密輸みつゆ」が多く見られるようになりました。

2018年には中国で輸入ゆにゅうできなくなったプラスチックごみを、
タイの中国系業者ちゅうごくけいぎょうしゃがタイに密輸みつゆする出来事がありました。

また、マレーシアでは、多くのリサイクル工場が、環境規制かんきょうきせい(環境をよごさないための決まりごと)を守らないまま作業を続けており、
マレーシアの川や海がどんどんよごれていく事態になりました。

 

こうした事態を受けて、プラスチックごみをはじめとするごみ輸入・輸出ゆにゅう・ゆしゅつの規制がさらに厳しくなり、
日本などの先進国は、プラスチックごみのリサイクル対策を求められるようになったのです。

次回からは

代表的なプラスチックごみである「レジぶくろ」を使わないために、海外でどのような取り組みがされているのか紹介します。

最終更新日: