3Dプリンターで実現するものづくり / Up-Ring
脱炭素社会に向けて3Dプリンターで実現するものづくり。
製品概要
Up-Ring(アップリング)シリーズは、環境負荷の少ないバイオマスポリエチレンを原料に、3Dプリンターを使って生産している家具です。原料であるバイオマスポリエチレンには、食用にできないサトウキビを利用して加工しています。これからの脱炭素社会に向け、持続可能かつエコロジカルな家具製造を実現した製品です。
「2022年度グッドデザイン賞」を受賞。さらに、世界三大デザイン賞の一つであるドイツの「iFデザインアワード 2023」も受賞しています。
制作の経緯
Up-Ringは、地球温暖化防止目標達成のために、脱炭素社会の実現に向けた新しいチャレンジです。株式会社オカムラと慶應義塾大学KGRI環デザイン&デジタルマニュファクチャリング創造センターとのコラボレーションにより生まれました。
Up-Ringシリーズの原料に使われているサトウキビは、再生可能であるとともに生育過程でCO2を吸収固定します。化石資源などの枯渇性資源の使用削減と、温室効果ガスの排出抑制効果が期待できるようになりました。また、3Dプリンターでの生産によって従来の製造方法では必要だった金型が不要になり、製造時の材料と電力の削減に成功しました。
製品の特徴
3Dプリンターによる経済的な製法
Up-Ringシリーズは従来のオフィス家具の製法とは異なり、 大型の3Dプリンターで生産しています。3Dプリンターで生産することで金型が不要になるため、生産準備段階での費用削減を図ることができ、製造時の無駄な材料消費、騒音、消費電力を抑えることができます。単一材料で作られるため、粉砕した後に再び3Dプリンターで成形することもできます。また、家具1台だけの生産も可能です。
さらに、従来と比べて狭いスペースでの製造が可能になるため、将来的には各所に3Dプリンターを設置し、納品先に近い場所で生産して輸送経路を短縮することにより、物流で生じるCO2排出量を削減できる可能性を秘めています。
サステナブルで地球にやさしい材料
Up-Ringシリーズの原料は、サトウキビから作られるバイオマスポリエチレンを使用しています。
サトウキビは生育の過程でCO2を吸収するため、石油化学系ポリエチレンと比較してCO2排出量を70%削減することができます。
また、サトウキビの非可食成分から製造されるため、食料との競合も発生しづらくなっています。つまり、食料としてのサトウキビを減らすことなく、食料として使われない部分から家具を作ることが可能なのです。
優れた機能性を持つデザイン
Up-Ringシリーズは、曲線を多用した有機的で面白いデザインですが、見た目だけでなく機能的にも優れた特徴を持っています。
ローバックチェアおよびハイバックチェアは、バランスボールのように座っている人が自ら重心を移動させることで柔軟に姿勢を変化させる事ができる上、背中や膝の安定性も確保できる形状を開発し、3Dプリンターによる一体成形での製造を実現した椅子です。また、座面下は荷物置きとして使用ができ、座ったままでも取り出しやすい設計です。
Up-Ringシリーズで、おしゃれかつ機能的に空間を彩ることができるでしょう
商品名 |
Up-Ring(アップリング) |
カテゴリ |
チェア・カフェテーブル |
素材 |
チェア:ガラス繊維強化ポリエチレン樹脂 |
サイズ |
ローバックチェア:横幅 428㎜・縦幅 630㎜・奥行 633㎜・座面までの高さ 491㎜ |
メーカー |
株式会社 オカムラ |